新春初歩きの 『綿向山(1110m)』

年月日 2006年9月11日(月)〜16日(土)
地域 北アルプス
山名 餓鬼岳・燕岳・槍ヶ岳・樅沢岳
天候
参加人数 5人
1/25000地図 大町南部・烏帽子岳・槍ヶ岳・穂高岳
・三俣蓮華岳・笠ヶ岳
   
行程と記録
 
 今夏初の北アルプスを計画。 大町から入山し、餓鬼岳・燕岳・表銀座・東鎌尾根・槍ヶ岳・西鎌尾根を経て新穂高温泉に下山する5泊6日小屋泊まりの計画に賛同する仲間5人で出かける。
 
1日目 9/11(月) 曇
 栗東IC 7:30()⇒高山⇒()11:10平湯11:45(バス)13:10松本14:11(大糸線)15:07信濃大町(いずみ旅館泊)      
 
 秋の長雨の時期となり天候を懸念しながらマイカーで出発、平湯のアカナンダ駐車場(一日500円)に車を置き、バスで松本へ、そして大糸線で大町に到着。 時間があるので山岳博物館を見学する予定が残念ながら月曜で休館日、仕方なく常盤泉のイズミ旅館に入る。 夕刻から心配していた雨となり一晩中降っていた。
 
2日目 9/12(火)終日雨  行動時間 7時間45分
 信濃大町
6:30⇒(タクシー)⇒白沢三股6:55→魚止ノ滝11:20大凪山→百曲がり→14:40餓鬼岳小屋(泊)
 
  朝から雨の洗礼を受けるが、予想されていたのに出かけてきたのだから仕方がない。予約のタクシーで登山口に向う。
 今日は高度差1600mを稼がねばならず、つらいのは覚悟でスタート。 
白沢沿いにつめ 左岸から右岸へと渡り、途中、沢中州を歩くが道は整備されている。 魚止ノ滝を過ぎると急登にかかり一挙に700m近く高度をあげ、雨と蒸し暑さでバテバテ状態、まもなくやっと傾斜も緩みしばらく歩くと大凪山(2079m)の表示があったが樹林帯の中で特徴のない山頂だ。 雨が降り続けておりさらに歩くが適当な昼食場所もなくあきらめて昼食を摂る。 少し休むと体が冷えK氏が準備してくれたスープとぜんざいに救われる。
 
 
大凪山からは南面が切れ落ちた緩やかな尾根道を歩くが最後の百曲がり(高度差300m)はさすがに堪え、やっと餓鬼小屋に到着。 時間は充分余裕があったが全員ズブ濡れ状態だったため10分で行ける餓鬼山頂には行かず小屋に入って、早々に着替える。
 
 
小屋到着後、20分ほどで山岳ガイドに連れられた女性3人組が到着。 見るとガイドが完全装備でロープも携帯。 どこで使うのかと尋ねると魚止ノ滝の迂回道で既に使ったという。逆に何もなしであなた方は来たのかとあきれられたが、そんな危険な箇所はあったかなと我々全員合点がいかずあっけにとられる場面もあった。

 今夜は宿泊客は9人のみ。 夕食はチラシ寿司が有名と聞いており期待していたが、残念ながら炊き込みご飯とおでんに変わっていた。 でも、味
はうまかった。 ただし、小屋番の若い3青年は無愛想すぎた。

(今日は雨の中、視界なく,もくもくと歩いたので写真撮影の余裕はありませんでした。)
 
3日目 9/13(水)終日雨  行動時間 8時間55分
 餓鬼岳小屋5:50
→→餓鬼岳→餓鬼岳小屋6:20→→剣ズリ→→8:50東沢岳9:10→→11:00東沢乗越     11:30→→稜線→→14:00北燕岳→→14:15燕岳→14:45燕山荘(泊)
 

餓鬼岳2547mにて  周囲の視界はない
 
 朝、雨は小雨と変わっていたがあまり期待できそうもない。 朝一番、とりあえず小屋裏の餓鬼岳ピークを踏むが視界はない。 周囲を眺め、この方向に○○岳・△△沢などが見えるはずと想像するのみ。
 
 小屋に戻りすぐ出発。 今日は尾根歩きが主体で展望が楽しめるはずだったが期待は無理か。 だが一方では燕岳までの今日の行程は歩く人も少なく我々にとっても未知の世界で期待が弾む。
 
 進むにつれ、時折、雲が薄くなり周囲もなんとか見渡せる場面も出てくる。
 
 
 はじめ平坦な尾根道だが、まもなく剣ズリにかかると様子は一変。急峻な岩ピークが次々と現れ、ピークを越えたり左右をトラバースしたり、梯子や鎖場も随所にあり気が抜けない。 視界があれば素晴らしい尾根道だろう。
 
 時折、雲間に見える風景を楽しむ。 剣ズリを過ぎると結構長い稜線のアップダウンが続き東沢岳2497mに到着のはずだが表示のない似たような山頂が続くため確信を持って認定できない。 唯一ケルンの積まれた山頂を東沢岳と勝手に判断する。
 
 東沢岳からは300mの下降で東沢乗越に着き昼食とするが、雨中で寒く、ここでもK氏の準備してくれる暖かい飲み物に助かる。

雲間の風景 下に高瀬ダムの一部が見える

剣ズリの一部  脇をトラバース

剣ズリの一部 頂部を通過

東沢岳2497m付近のピーク

季節外れのコマクサ
 
 東沢乗越からは高度差500mの急登では喘ぎながら登る。 急登の上部はザレ場の中に立派なお花畑、やや盛りは過ぎているがトリカブト・リンドウ・アザミ・アキノキリンソウなどが色鮮やかに咲き乱れ、驚いたことにコマクサがいまだに咲いていた。 また、尾根に出て燕山荘までの砂礫帯の保護地区には多くにコマクサ株に花が残っていた。
 
 また、ホシガラスがハイマツの松ポックリをあつめ食い散らしている残骸がやたらに目に付いた。
 
斜面の大花畑を過ぎ、稜線に出ると西に高瀬川の渓谷を挟んで裏銀座の山々が展開するはずだが濃いガスと雨雲で視界はなかった。
 
 
 
 
 稜線に出て砂礫帯を歩き、いくつかのピークが現れるがなかなか燕岳に着かず長い。 
 やっと、北燕岳・燕岳2763mを踏むが終日の雨でズブ濡れ状態。 山頂では記念写真を撮っただけで早々に退却して先を急ぎ花崗岩からなる風化奇岩をいくつか見て燕山荘にたどり着く。
 
 小屋ではすぐ着替えして寛ぐが広い山荘に宿泊客はわずかに10数人と淋しく、スタッフの方が多いくらいだった。

燕岳2763m山頂にて 雨にも負けず
  
4日目 9/14(木)雨のち小雨  行動時間 6時間35分
 燕山荘
7:35→蛙岩→→8:25大下り上部→→為右衛門吊岩→→9:45喜作レリーフ→→10:40
  大天井ヒュッテ11:20→→赤岩岳→→14:10ヒュッテ
西岳(泊)
 

燕山荘前にて
 
 依然として雨が降り続いている。 今日の予報は午前中に雨が上がり曇空となりそうだというので、しばらく出発を見合わせることにする。 場合によっては途中下山も止むなしと弱気な一面も頭をもたげる。
 
 7時過ぎ、やや小降りになったので出発することにするが当初予定の槍岳山荘までは無理なのでヒュッテ西岳を目指し、明日の天気次第で次の行動を決めることにする。
 
 今日は誰もが知る表銀座コース、本来なら槍・穂高を右前に見てのルンルンコースなのに近くの道筋付近以外何も見えない。今日を含め3日間風が殆どないので助かるが・・・・・。
 
 出発してまもなく雷鳥一家5匹が道の真ん中で出迎えてくれる。 すっかり人間になれ2mほどに近づいてもあわてて逃げる気配はない。 こちらが遠慮して傍を通る始末。 天気が悪く鮮明な写真を撮れなかったが冬を迎える前に肥えなければと餌をあさっており丸々と太っていた。
 
 蛙岩・為右衛門吊岩・切通岩(喜作レリーフ)から槍・常念分岐を経て大天井岳の中腹をトラバースし黙々と歩き大天井ヒュッテに到着、皆できつねうどんを注文し腹ごしらえをする。

やっと槍の穂先がうかがえた。
 
 大天井ヒュッテ・赤岩岳・ヒュッテ西岳と結構長かったがヒュッテ西岳に着く頃には雨も止み薄日が差すようになってくる。
 
 2時過ぎなので先に進むことも頭をよぎったが無理せずヒュッテ西岳に泊まることにする。
 
 着替えて一息ついていると陽がさすようになり、常念側は雲厚く見えないが槍側は雲の隙間から槍・穂高方面が顔を覗かせるようになる。 待望の景色で嬉しくなり皆でテラスにでて祝杯を挙げる。
 
 明日は晴の予報も出て一安心。 夜中、トイレに外に出ると満点の星空に変わり、自然にやったという嬉しさがこみ上げてくる。
 
5日目 9/15(金)  快晴のち曇  行動時間 10時間00分
 ヒュッテ西岳5:45→→6:45水俣乗越6:50→(東鎌尾根)→8:40ヒュッテ大槍9:00→→
 9:45槍ヶ岳山荘10:00→→10:20大槍→→10:40槍ヶ岳山荘11:20→→12:05千丈沢乗越→
(西鎌尾根)→15:15樅沢岳→→15:45双六小屋(泊)
 
 昨日までとは一変し、素晴らしい快晴の朝を迎える。 心も弾むというものだ。 今日は東鎌尾根を経て大槍に登り、西鎌を下って双六小屋までの予定。
 
 全員疲れも見せず快調にスタート、水俣乗越までの下りも梯子・鎖はあるが予定通りこなし、コルからは急な登りが続くが周囲の展望に見とれ、あまり苦にならない。 順調にヒュッテ大槍に着くまで我々だけの東鎌尾根だったが小屋テラスで休憩していると大槍から降りてくる外国人2人に今日始めて会い挨拶を交わす。
 
 ヒュッテ大槍からは尾根筋を登るが下に殺生ヒュッテを見ながら槍ヶ岳小屋を目指す。この頃から槍沢をつめて登ってくる登山者がボツボツ眺められるようになる。 大きなガレ場を過ぎ、やっと槍岳山荘に着く。
 
 早速、空身で大槍に挑むが単独行の一人が前方を登っているだけで20分で頂上に立つ。 最盛期には行列で順番待ちになるのが嘘のようだ。 充分に展望を楽しみ小屋に戻るが往復40分でこなしてしまった。
 
 小屋で又もうどんで腹ごしらえし11時20分出発するが、この頃から雲が多くなり部分的に展望を隠してしまうものの雨風の心配はなさそう。
 

ヒュッテ西岳から雲海に浮かぶ常念岳2857m

ヒュッテ西岳から朝の北穂高岳と南岳

朝日に映える槍ヶ岳と東鎌尾根

ヒュッテ大槍にて槍ヶ岳をバックに

水俣乗越への下りから

水俣乗越付近から天上沢方面 遠くに後立山連峰が

ヒュッテ大槍手前より大槍3180m

北鎌尾根の中間部

ヒュッテ大槍より殺生ヒュッテと大槍

大槍山頂から千丈沢と硫黄尾根

大槍山頂から天上沢を見下ろす

大槍山頂から槍ヶ岳山荘

大槍山頂にて記念の一枚

槍ヶ岳山荘から槍沢を見下ろす

槍ヶ岳山荘から見た大槍・小槍
 
 
 
 槍ヶ岳山荘から西鎌尾根への下りは急なガレ場から始まるが千丈沢乗越までは45分で到着、あとは比較的平坦な下りで沢筋の展望を楽しむ。後半は2〜3の登りをこなし樅沢岳2755mを踏む。
 
 しばらく降ると今日の終着点である双六小屋が見えてくる。 ダラダラと降って小屋に到着するが今日は汗ばんだ下着を乾かす程度でぬれた物はない。 だが皮肉にも小屋には立派なボイラー熱風利用の乾燥室があった。
 
 今日は好天で登山客もやや多くなるが、それでも20名程度の宿泊客。 我々もメイン・ルートを終え、のんびりとワインで乾杯しながら、今回こなしたルートを振り返り談笑して時を過ごす。。

西鎌尾根に咲く可憐なミヤマリンドウ

西鎌尾根から見た北鎌尾根下部

西鎌尾根筋から千丈沢と硫黄尾根

西鎌尾根からの千丈沢
  
6日目 9/16(土) 快晴のち曇から小雨  所要時間 6時間25分
 
双六小屋6:00→→7:00花見平7:10→→弓折岳分岐→→7:50鏡平山荘8:15→→シシウド平
 →→秩父沢→→林道→→11:00ワサビ平小屋11:25→→12:25新穂高12:55⇒(バス)⇒
 13:30平湯15:30⇒
()⇒高山⇒()⇒19:30竜王IC 

 

双六小屋から堂々たる鷲羽岳2924m

小屋横の双六池向こうに抜戸岳・笠ヶ岳2897m
 
 
 いよいよ最終日、天気も昨日の状態を持ち越しており午前中は良さそうだ。
 
 小屋前で再度周囲の展望を楽しみ下山にかかる。鏡平までの下りはまるで散歩道、気分も軽い。 双六小屋で一緒になった栃木からの5人組と相前後して下る。
 
 左手には朝のシルエットに浮き出る槍・穂高の縦走路が、前方には焼岳・乗鞍岳、前方右手には抜戸岳・笠ヶ岳、右手にはうっすらと白山らしき山並みが連なる。
 
 

南方向に見える焼岳2455mと乗鞍岳3026m

花見平からの槍・大食・中・南・北穂の連山

花見平からの穂高連山、手前は奥丸山2355m

池の畔に静かに佇む瀟洒な鏡平山荘
弓折岳分岐からは尾根道を離れ本格的な下降路となり程なく鏡平小屋到着、昨夜の客が出発して小屋前は誰もいない。少し経って栃木組が降りてくる。
 
 小屋名物のかき氷を栃木組が全員注文、つられて柴ちゃんも注文するが我が他の4人は興味なし。
 かき氷の肌理細かくうまかったが、最後頭の芯が痛くなるが残すことはせずゆっくりとほおばる。
 量が前回来た時よりも多くなっていたようだ。
 
 ティータイム後、隣の池で逆さ槍・穂高を充分観賞。
全山が映りラッキー。 池の畔で愛らしいオコジョがすばやくウロチョロしていたが写真のタイミングをとてもつかめる状態ではなかった。 残念!!

鏡平池に映る槍連山と 右写真:穂高連山

  

記念の一枚 皆さん満足の表情

シシウドガ原にて 一面に咲き誇り、下には蒲田川が

見事なシシウド 白花が実をつけつつあり、
ややピンクに色づき始めている
 
 鏡平からの長い下山路にかかっても我々5人は5日目の山歩きというのに疲れを知らぬがごとく快調に歩いている。 小屋が空いていて毎夜熟睡できたのが良かったのだろうか。 平均年齢64歳にしては元気なメンバーだ。 有難いことではある。
 
 鏡平からは雲が徐々に増え、左俣谷・林道合流点の少し前からボツボツ雨の気配で最後雨具をつける破目になる。
 
 ワサビ平小屋で休憩、例によってK氏特製のラーメンで最後を締めくくる。あとは新穂高まで足元軽く歩いてゴール。
 
 平湯までバスに乗り、アカナンダ駐車場に置いたマイカーをピックアップして「平湯の森」に立ち寄り、温泉で汗を流し遅い昼食をとって一路帰路についた次第。
 
最後に
 
山中5日間のロングコースではあったが、5人全員の歩調が揃い、なごやかな楽しい山行が出来た。 前半の雨天続きにも拘らず、何よりも体調不良・ケガもなくゴールできたことが最高だった。 お互い協力し合えた仲間に感謝・感謝である。
 
 表銀座は北アルプスの代表的なコースで誰もが知るところでしょうが、今回の山行を通じ特筆だったのは、あまり歩かれていない餓鬼岳〜燕岳コースです。 残念ながら雨天だったため遠望は得られなかったが、コースに沿っては岩峰あり、梯子・鎖あり、お花畑ありと実に変化のあるコースでした。 白沢から餓鬼小屋までの整備されている道に比べれば、やや見劣りするが要所々々には安全対策もあり危険を感じるほどではなかった。
 天気の良い日に再度歩きたいなとの思いが残るコースであり、まだ歩いていない皆さんにも是非お勧めしたいコースであったこと加筆しておきます。
 
 
トップページへ 2006年の山歩き ページ頭へ